例会詳細
2月本部例会
日時 平成28年2月13日(土)午後1:30〜4:30
会場 北とぴあ7階第一研修室(東京都北区王子1−11−1)
交通 JR京浜東北線王子駅下車徒歩2分
会費 会員 2000円(含当日入会申込者) 一般 3000円
   学生 1000円(会員一般共)

講演 「霊魂観の現在」
講師 正木 晃氏
  あらゆる宗教にとって、死後世界や霊魂にまつわる教説は欠かせません。ところが現代の宗教、とりわけ日本の仏教界はこの領域に対してすこぶる消極的です。その原因は明治以降、欧米から導入された近代仏教学にあります。
 すなわち日本の仏教界は、近代化の過程で、合理主義に偏向した結果、仏教を生の世界だけに閉じ込め、死後世界や霊魂にまつわる探求を避けてきたのです。現に、伝統仏教界において、霊魂の存在を認めている宗派は日蓮宗と高野山真言宗にとどまり、他の宗派は認めないか、曖昧な答えに終始しています。
 今回の講演では、日本人の伝統的な霊魂や死生観を学びつつ、近代化の過程で犯したあやまちを指摘し、今後の展望を示唆したいと考えます。あわせて宗教と科学のあるべき関係を、この領域でははるかに先行する現代キリスト教神学をふまえて、論じます。

※正木晃先生は日本密教、チベット密教を深く研究され、修行がもたらす心身変容とその視覚表現が主な研究テーマです。精神科医とともに不登校・引きこもりを防ぐ運動も実践されており、宮崎駿らのアニメを題材に、宗教的伝統的な智恵を解きほぐすセミナーなども開催されているなど、幅の広い活躍をされている先生ですので、会員の皆様はご友人・知人をお誘いして、是非ご参加願います。

正木 晃(まさき あきら)氏のプロフィール
 1953年、神奈川県小田原市生れ。筑波大学大学院博士課程修了。国際日本文化研究センター客員助教授、中京女子大学助教授などをへて、現在は慶應義塾大学文学部・立正大学仏教学部非常勤講師。専門領域は宗教学。日本とチベットの仏教を中心に、修行における心身の変容、宗教図像学などを研究。著書に『密教』・『増補チベット密教』(筑摩書房)、『マンダラとは何か』・『宗像大社ー古代祭祀の原風景』(NHK出版)、『現代の修験道』(中央公論新社)、『空海と密教美術』(角川学芸出版)、『現代日本語訳 法華経』・『お坊さんのための「仏教入門」』・『マンダラ塗り絵』シリーズ(春秋社)など多数がある。

詳しい模様は会報サイジャーナル上で報告しています
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