PSI Vol.1, No1 May 1976 Foreword pp1.
巻頭言 学会誌の創刊にあたって
日本PS学会会長 関英男*

 わが日本PS学会は1976年初頭にようやく誕生した。その経過については、今年1月発行のPSIJにのべたように、きわめて困難な道であった。しかも、このような学会の誕生は人類の知的活動の発達過程において必然的なものと思われる。
 昨年6月30日から7月4日までモナコで開催された第2回サイコロトニクス国際会議において、Dr. Stanley Krippner が行った基調演説(内容全文を和訳してPSIJ月報3〜4号に掲載)の中で、“物質、エネルギーおよび意識は相互関係をもっている”とみとめた上で、サイコトロニクスを“人間とその環境の内的・外的相互作用ならびに、そこに関与するエネルギーの過程という分野について、学術的な方法で研究する一科学”と定義づけている。もちろん、研究の範囲をサイコトロニクスだけに絞っても、同国際会議には120件以上の報告が提出された位であるが、わがPSIJ会誌受容する研究の範囲は、必ずしもサイコトロニクスと限定せず、広く超心理学、心霊科学、宇宙生命学およびUFOなどの関連分野にわたるものである。これによって、従来自分の研究を発表すべき適当の機関雑誌がなくて悩んでいた多くの人々が堂々と本学会誌に発表することによって、各自の創造活動の優先権を主張できるようになったと信ずるのである。
 従来の自然科学の分野では多くの発表機関もあり、発明特許等の制度で保護されていて、優先権は相当主張できた。わたくしは、本学会誌が誕生した機会に、先駆者の業績を高く評価する習慣をつけ、かりそめにも他人が先鞭をつけた研究をあたかも自分の独創によるもののように宣伝することのないようにしたいものである。このことが結局は学問の健全な発達につながると考えるからである。
 なおこの機会に明言しなければならないことがある。それは、日本PS学会は特定の宗教に偏しないことである。一言に要約するならば、われわれは科学的方法でサイ(psi)現象を研究するものである。しかもサイ現象はすべての宗教体験の中にみられるものであり、従来の自然科学ではみとめられなかったものである。われわれは宗教そのものを認め、各個人の信仰の自由をみとめながら、学会全体として特定の教団に所属することはない、という意味である。これは、本学会が完全に民主的な運営をする関係上、どうしても守らなければならない鉄則である。もちろん、営利を目的とするものでもないし、物心いずれの側にも偏しない領域を探求することにより、最終的には人類の健康と、幸福と、平和とに貢献しようとしているものであるから、同好の士が相助け、相補って、本学会誌をもりたてて頂きたく切にお願いする次第である。
Address from the President to the First Number Issue
*Hideo Seki (President of PSIJ)
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