PSI Vol.6, No1 October1981 Foreword pp1.
 巻頭言

岡田氏 岡田 幸千生

 米国では昔から予言千里眼能力者が身上相談や警察への応対等を職業としているとき、公式職業名をpsichicと自称しています。日本でならば「霊能者」でしょう。医者に対し医学と云うように霊能学、霊能学会と云えば従来の心霊関係とも区別され、それに説明抜きで内容が分ります。これは本会の周知化普及に重大な効果が期待されます。
 ノストラダムスは史上最高の予言者と云う印象を与えたかも知れませんが、彼はしばしば隠語を使いまた極度に圧縮していて時期も明快と限らず丁度癌の診断だけ下して治療法を全く言わない冷酷な医者のようで、人類の子孫達の生存繁栄への建設的態度が見られません。これに対し最近段々エドガー・ケイシイが人類史上最高の予言者とみなされるようになってきました。彼の予言は具体的で時期も年数範囲を明示し、個々の身上相談への返事から遡って地球の自転軸の移動,さらに惑星の特殊な配置にまで遡り、当時の地球物理学の知見より湿かに深く掘下げておりかつ先んじていたことがその後の地球物理の発達につれて明らかになってきました。例えばこの7月に出たグッドマンの巨大地震訳本を見ても現在でさへ玄人の地球物理学者は天災地変の日時を年の程度にさへ予告できないのに52頁等に言及している現存の霊能力者達は時には年月日まで与えています。我々人間と云う生物は今まで経験の蓄積を論理で整理した「科学」を殆んど唯一の頼りとして活動してきましたが、それと全く別に這かに現実に直結した感覚を万人が少くとも潜在的に具えています。現代の情報洪水に埋没して退化している人の多いこの種の直観、霊感は時には動物の方が敏感である事が上の本でも紹介されています。椋平広告氏、現奈良市長鍵田忠三郎氏は日本での地震予知の著しい例です。霊能者は人体内部の状態、生物細胞の生態から分子構造、原子構造、素粒子まで見たり制御したり、月の裏側の景色のように現代科学では、ロケットでやっと分る宇宙の様子もいながらにして見える徴候があります。
 今までの自然発生的霊能者の詳細な記録を注意深く精査すると人工的官能者養成の可能性が分ります。それに成功したのがオランダ旧式 utrechtユトレヒト大学のparapsychology研究所創立者で所長をしていたWillem Heinrich Carl Tenhaeff 教授で最近亡くなられたそうですが1891年1月18日生れですから87才と云う長寿者で、全世界で初めて素質ある人物を長年月に渡って何人も霊能者に人工養成した方で、例えばクロアゼーは行方不明の人や物の所在を具体的に教え、考古学でも一片の化石から当時の事情を詳細に説明し、犯罪解決では警察に協力して非常な成果を挙げ,オランダでは完全犯罪は殆んど不可能な程充分「実用に堪える」高度高信頼性の霊能者で、テンヘフ教授は組織的霊能教育指導でセ界最初の最高の業績を挙げました。テンヘフ教授自身の霊能力を私は知りませんし、私が1975年お訪ねした折も霊能力をお持ちのようには見えませんでした。しかしヴァイオリン、ピアノその他の音楽,体操、柔道その他のあらゆるスポーツで出藍の誉は当り前のことで、教え子は教師の能力のところまでしか進歩できないと云うことは決してないことは霊能者を育成しようと云う方にとっては非常な励みとなります。
 また霊能力はどんなことまでやれるようになるでしょうか? 自然発生的霊能者の能力はピンからキリまであって千差万別ですがその解答は、根本的には本人が未来へのどんな情報を知りたいのかと云う本人の希求範囲と強さとそれが可能であることを現実体験で本人が漸次実績で知ることができます。霊能力は生命力の直接発揮ですから生物の生存繁栄の方向にしか働きませんから金持ちになろうとか全世界を征服しようとかには却って能力が減退します。自分の魂の指導者からさへ完全な独立自由が出発で体力は消耗しても必ずしも苦痛や重荷とは限りません。

The museum of kokoro science
PSIJ