PSI Vol.5, No.3 February 1981 Foreword pp1.
 巻頭言

森氏サイ科学の展望
森 東一郎*

 新春にあたり、我々の知恵により、地球上の総べての人類が、幸わせに生き伸展して行くための平和が、創り出せます様思念しつつ、巻頭の言を記します。
 最近地球は有限である。という言葉をよく耳にし、他方新聞経済面等で附加価値という言葉もよく見受けます。昔から窮すれば通ず、という諺がありますが最近地球上の産業が何か追い込まれの気配を、何処かに感じていて、それが国際間にも人知れず影響し、ひいては戦争に備えなければならないとまで思い初め、又現実に動きが出初めている今。有限を無限に転ずるクリエティーブな人類の知恵こそ、要望されるものはありません。ところが人間には総ての人々の頭脳のはるか奥に、我々が原始生命を得てより今日までかかって作られて来たきびしい宇宙の法則の中で生きて行く為の命令形(精神パターン)が存し、たえず調和の基準へと導いています。(最も単純な例として練習すれば誰でも―輪車に乗れると云うことがある様に)、つまり誰でも本当は非常に独創的な才能を持っています。が、その正しい導き方を自ら知らないと、他人の捨てた知恵を拾い歩く乞食の様になります。最近の日本はこの点そのことに気づきはじめて来ましたが本当に正しくそうした精神が発展する為には、教育から問題になりますし、正しい方法が問題です。世間にはまだこの事を自らの問題として、さしせまった実感で考えていない人が多いのも事実です。単なる批評家の態度では意味がありません。十数年以前に、ソ二ーが主催又は後援か忘れましたが、コンピューター技術の将来と云った外人を交え、数名の講師による講演会がありました。日比谷公会堂クラスの大劇場が満席でしたが、結論はコンピューターは近い将来人間にとって代ると云うことなので、私は、人間には 五感の他、第六感、霊感、等があり私にはとって代れるのは何万年か先の様に思えるがどうかと質問しましたら、満堂大爆笑となりました。当時はまだ例の流行語はなく、つまり私は大真面目な質問をしたのが、まったくの漫談にとられたわけです。同行の友達は一時はどうなることかと思ったと後で言ったことでも分ります。が先日テレビでソニーの研究所長が人間の精神のメカニズムが細部にわたりわからぬ以上、人間に代ることは出来ない。と説明しておられたが、当然の事です。しかしまだコンピューターに対する盲目的信仰心が、以外なほど大きいのに驚きます。物のメカニズムと人間の不思議さとは別です。これもテレビで見たのですが、電子顕微鏡下のテレビカメラ映像に、白血球がすわ外敵侵入と見ると、たちまちはせ参じて、バクテリアの外側を取りまき、食べてしまいます。ところがガンが出来ると、身内の者だから、拒否反応がないのでしょう。はせ参した白血球は次々に食べられてしまい、益々ガンを成長させてしまいます。ところが、次の写真でしたが、これにコリたのか、こんどもどんどん食べられていきますがガンの体内で消化せずにじっと我慢していてガンが衰弱すると殼を破いてドッと外に出て来て集合します。がンは、破れたゴム風船の様にあと型もありません。この様な不思議な作用や能力を持つ細胞が、大集合し大合成し出来ている我が生命体が、感じ選択する方向は、正に宇宙神秘の法則そのものであります。我々の生体内には壮厳無比な光エネルギーの集合体が地球を眸睨して君臨しています。このことに世界の人々は目ざめ、自ら立って平和と宇宙の今ここにある可能性の採択に勇気を持って進むべき時でありましょう。
 既ちここにPS学会の重要性が問われる所以であります。本年も益々会が盛大に発展し且つ大きな成果が上ります様念願し、年頭の巻頭言とさせて頂きました。
* Toichiro Mori 生活空間造形色彩学研究家

The museum of kokoro science
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