PSI Vol.3, No2 December 1978 Foreword pp1.
 巻頭言

佐々木氏サイエネルギーの研究について
工学博士 佐々木茂美*

 超常現象の原因としてのエネルギーをサイエネルギーと仮称する。サイ現象の研究其他を目的として我国に日本サイ科学会が設立されたのは1976年1月であった。1978年末にはサイエネルギー実測研究会が学会内の一分野として誕生することになっている。
 超常現象は昔からあらゆる地域にわたって事実として存在し続けてきた。今もある。しかしながら、それの持つ内容に比較して近代科学の枠内で認められている立場はあまりにも弱すぎる様に思える。サイ科学は心としての形而上学と物としての形而下学の学際領域に属しているとともに、サイエネルギーは両者に跨って存在しているので、超常現象究明のための方法が確立し難い面があった為に、換言すれば、従来の科学の枠に納りきれなかった事が弱い立場の主因であった様に思う。 J.B.Rhineらは特殊能力者が偶然に、まれにしか示すことの出来なかった超常現象を、厳密な実験条件の下で、しかも簡単な方法を用いて通常人の能力を数多く測定することにより、それら(超常現象のなかのESP、PK)の存在を科学的、統計的に実証した。それらの結果としてサイエネルギーの心理学的な面での性質はかなりはっきり知られる様になってきた。しかしその反面、物理的な性質に関しては依然として不明の点が多いように思う。その理由の主要なものは、能力の弱い通常人を対象にしていて、しかも統計量としての条件設定の下に(偶然が入った形)測定していたことにあったように思える。
 しかしながら、日本PS学会の設立の時期を一つの契機として、実験に耐える事の出来る優れた特殊能力者の輩出(子供達)を得ることが出来て、サイエネルギーの物理的な面での性質が次第に測定されるようになってきた。さらに最近は、サイエネルギーが能力者とは分離された形で測定されるようにもなってきている。しかも再現性や普遍性などの科学的な条件が満たされた形で測定されているので、サイ科学は、全く新しい局面を迎えつつあると言っても良いのではないだろうか。
 今後は、サイエネルギーを疑問の無い状態で測定し、しかも統計的な手法をも取入れて、その物理的(又は心理的)性質を知ることに精力が傾けられねばならないと考える。このことは、サイ関係の理論を構築したり、理論の正当性を主張するためにも是非必要な過程であると思える。恐らくサイエネルギー実測研究会等ではサイエネルギーの出現、蓄積、増幅、効果さらには宇宙との関係、既知の物理量との間の相互関係などの基礎的応用的研究が進められるであろう。さらに生体ならびに意識と上記との関係などの生命科学的な面からの研究も続けられるであろう。それらの道は決して平坦ではないのであろうが、研究者らは最善を尽すであろう。サイ科学の進歩がその結果として人類万物に与えるであろうと思える恩恵は、あまりにも大き過ぎて計り知れないものがあると考える。   (昭53‐10‐26)
* On the study of PSI-energy in ParanormaI Phenomena. Prof. Dr. Shigemi Sasaki, The univ. of Electro- Comm., Chofu, Tokyo.

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