PSI Vol.2, No2 March 1978 Foreword pp1.
 巻頭言

山本氏“エネルギーと仕事"
山本洋一*

 PS学会が現在の科学を一段と正しくする使命をもって活動をつづけられていることを、私はうれしく思わせられている。
 科学という学問は、この宇宙における万物万象の真相を明らかにする目的を以て成立した人間の行動であるが、今日において観測の結果を原因とする、本末の誤まりをしての体系化で、サイ科学への理解をもしようとしないのである。
 この宇宙における万物万象の根元を知ることが大切であるのに、今日の科学は結果としての光・電気・熱・運動などを原因の存在とみてゆきづまったのである。物質はもとより一切の現象の原因も、実は万物をつくり、万象をあらわす能力として定義をされたエネルギーなのである。
 物質はエネルギーの集中固定の状態で、開放すれば仕事Eをあらわすことが、アインシュタインの式E = mC2で明らかである。また、1900年にドイツの物理学者プランク博士の見出したE = hνの式は、hにνをかけるとEというergの単位の仕事をあらわすということで、原因は6.6262×10-27erg secの仕事量の単位のブランク定数hで、周波数νによって結果のEの大きさが変るのである。
 働きをあらわす能力としての原因のエネルギーはブランク定数hで、Eは結果の仕事なのである。それなのに、今日の物理学はEをエネルギーとして、E = hνで量子論を展開し、原因と結果とを混同しているのである。
 仕事の単位の1 erg はh×l.5092×1026/secで、電気としての電力量1 VA sec はh×l.5092×1033/secで、1エレクトロンボルトはh ×2.4180×1014/sec、熱の1 cal はh×6.3166×1033/sec、電磁波の周波数νはE/h=νで1秒におけるh数なのである。ブランク定数h1コは6.6262×10-27ergで、これをC2で割ると質量7.3624×10-48gである。したがって1gはh数で1.3584×1047コである。hは1秒では6.6262×10-27ergの仕事で、6.6262×10-27secで1 erg の仕事をあらわす。
 万物万象の一切がブランク定数、hで、統一的に表現ができ、万物万象の根元がhであることになる。
 この宇宙は粒子としてのエネルギーがみちみちており、究極圧力6.6262×1027dyn/cm2の圧力で一方向への流動でウズ巻をつくった中に、天体の一切があって動かされているのである。
 この宇宙はスキマなくみちみちたブランク定数の世界で、ブランク定数hこそがエネルギー粒子の1コなのである。ブランク定数が定数であることから、新しい科学としての樹立のもととなり、サイ科学の正しい理論的表付けができるのではないかと私は考える次第である。
*"Energy and Work" by Dr. Yoichi YAMAMOTO(社)日本工業技術振興協会々長・技術士・工学博士

The museum of kokoro science
PSIJ