PSI Vol.11, No1 July 1988 Foreword pp1.
 巻頭言

安久津論文第二弾を送るに当って
関 英男*

 「安久津論文の意義」として本全論文誌第8巻、第2号を全員にお届けしたのは、約3年前のことであったが、 その后、サイジヤーナル第141号(昭和63年2月)で安久津先生の神学論文がフィリッピン神学院に提出、激賛 されたことを報道した次第である。今回、「サイ科学論文誌」第11巻第1号として会員の皆さんに特別お目にかけ るのは、その論文中特に話題の第3章であって、本全としても神学を採り上げることで異例の形式となるが、そ れ相当の意義ある内容と解釈したためである。
 前記ニュースでも報道した通り、21世紀の理想社会のあるべき姿を予想し、3項目の憲法を提案した他、農業 の大変革によって、世界の人目が600億になっても食糧に困らない方策まで打ち出している点が注目された。な お、「キリスト新聞」に1987年11月14日以降連載され、日本のトップレベルの指導者が読んで絶賛しているという。
 安久津先生は科学の御出身だから、以上の方策はもちろん根拠があってのことであるが、それ以上に大切な点 は、在来科学の唯物思想から造物主による創造説に軌道の修正を力強く推進しようとする熱意である。
 まず、宇宙空間の超光速度理論については、前述の本全論文誌で発表されているが、この理論を基礎とし、現 代のリニアモーターの原理を応用して、光速度回転盤を具体的に作ることによって、アインシュタイン理論の基 本的仮説光速度有限の壁を破ることを使命としておられるようである。筆者も安久津先生より、実験構想の大要 を承り、今后の人類科学の方向に希望ありと判断した。NTT物理科学研究室神部信幸博士および電気通信大 学教授で、海上都市構想で有名な寺井精英博士等も、この構想をごらんになって信憑性が高いと評価・激賞され、 絶対的協力を表明しておられることは、大変心強いと思っている。
 筆者も十数年前ハワイ大学に籍をおいた頃しきりに図書館でルコント・ド・ヌウイの著書「人間の運命」を夢 中になって読んだものである。この書物の著者は第2次大戦中の軍医でもあったが、純然たる科学者であった。 しかし、ロバートAミリカン(ノーベル受賞者)が批評しているように、数学・物理学・化学・生物学および哲 学の最尖端を知悉した者でなければ、ルコント・ド・ヌウイのやったように、厳密に科学的な推理によって、唯 物論哲学の根本的誤謬を証明することはできないということである。
 安久津論文の後半では、カントの純粋理性批判の唯物的論理学にひそむ矛盾を徹底的に指摘した後、最終項目 に自らの天職、十字式健康法の原理を披露する予定だとのことだから、恐らく現代の唯物医学の盲点を衝き、医 学の大改革論で結ぶことになっている。とにかく、一読に値する世紀の大論文である。
 なお、最後にお断りしておきたいことは、神学論文といって、宗教の領域に入り込もうとしているわけではな く、在来科学を一歩抜けだすことによって、サイ科学の存在意義を強化しようとしているのである。必ずしも、 宗教によらなくても、造物主の存在を容認できるということをよくよく考えて頂きたい次第である。
*工学博士、元電気通信大学、ハワイ大学教授、
 統合科学研究所(USL)所長、
 日本サイ科学会(PSIJ)会長、

The museum of kokoro science
PSIJ