PSI Vol.1, No3 April 1977 Foreword pp1.
 巻頭言

内田氏サイ科学研究の心構え
社団法人全国日本学士会名誉会員 内田 秀男

 世界中に大きな話題となったユリ・ゲラーの念力実験は、周知のように日本でも、テレビやマスコミが、肯定、否定の大論争を巻き起した。いまひとつ世界中の話題になっているUF0、これもアメリカのNASA当局が発表した否定できない公式記録写真で、従来の科学的常識を根底からゆさぶっている。
 テレビや、マスコミがこの種の問題をとり上げると、その事実の体験や、実験もしないで、単に従来の科学的常識で、それは偶然だなどと判定しやたらと否定して物議を醸している。科学的研究は、すべて実際に起る現象について研究が進められるのが基本である。そこに偶然という都合のよい文学的表現はあってはならない。如何にも偶然のタイミングで起るかのように見られる超常現象、それは人為的奇術でない限り、そこに未解決の科学の分野が広がっている証拠だ。
 従来の物質文明、つまり物質とエネルギーが中心の科学は、人間の存在を忘れていたために、人間が周囲に放射しているオーラエネルギーなどの影響でしばしば起る超常現象は偶然という都合のよい言葉で処理されてきた。また、この広い宇宙には地球上の人間と同様の知的生物の存在する天体を考えていなかったために、古代記録にもあり、またしばしば起るUFO現象についても、流星とか、偶然という都合のよい言葉で処理されてきた。
 自己中心でありながら人間、生物の存在を忘れていた物質とエネルギー中心の科学の欠陥は今や明らかな証拠で証明されている。人類のための科学、それはあくまで完全科学でなければならない。物質とエネルギーの2要素を基礎とする従来の科学を完全化するには、そこに人間の条件、即ち人間の意識と、心の情報の2要素を加えて考慮されなければならない。何かの目的のための意識のはたらきも大切だが、心のはたらきはそれ以上に大切な要素である。
 心のはたらきは、人間同志はもちろん他の生物の心にも以心伝心現象を起すからだ。
 サイ科学の研究は未だ緒についたばかりで、その分野は広く使命は重大であるが、その基本的要素に関しての科学的データは未だ明らかでない。
 それにもかかわらず、最近はやたらと人体に微弱電流を流す実験器具の類の研究が盛になっている。これは非常に危険この上ない傾向で、サイ科学研究者は心しなければならない。たとえば人体ツボを21Vの電池電源で刺戟したために、医学的に原因不明の内部疾病を引き起し、治療の方法がわからない例や、精神を安定するとか、統一などの目的で、額に金属バンドを巻いて微弱電流を流す器具を実験していたら、額に不治の肉腫がいっぱいできて困っている例など、微弱電流の被害者が数多く発生している。
 サイ科学研究に興味をもつのはよいが、人体に微弱電流を流す実験や、強い電界変化を伴う実験を行うには、鍼灸医学、カイロプラクティックなどの知識を会得して、呉々も健康管理に留意すべきだ。

The museum of kokoro science
PSIJ