PSI Vol.7, No1 September 1982 サイ科学研究論文集 pp.34-35.
 来年の研究発表を目指して
 昨年の評議員会、役員会それにつゞく総会等で、研究報告の発行は年1回という方針が与えられました。従って、次回は約1年後の発表になりますけれども、原稿は随時送って下さる方が無難です。
 研究発表はどなたでもできます。自分は学がないから駄目だ、といって諦めるのもどうかと思います。学はあるが、サイの方に暗い、というのも頂けません。程度の差こそあれ、だれでも暗いのですから。要は、上の書き方をよくみて、つぎのテーマの中から、自分でやれそうなものを選んで勇敢に書いてみることです。この雑誌に報告がでますと、それに刺戟されて他の会員がその先を研究してくれます。そうして、会員全体のレベルが向上し、だんだんサイに明るくなるのです。会員はどなたでも書いてよいのです。たゞ、研究報告とか論文の書き方には一定 の形式がありますから、その点は前項「これから寄稿下さる方のために」をよく読んでから書いて頂きたいものです。
 さて、それでは一体何を書いたらよいのか、と開き直られるかも知れません。つまり、どんなテーマを取り上げるかということである。もちろん、テーマを網羅すると別に分類表でも示したように際限ない話になるが、とりあえず、手っとり早くものになりそうなものだけ次にならべてみましょう。
  ピラミッド   ESP  念写
  オーラメーター PK   暗示学習
  キルリアン写真 UFO  生物学的示素変換
  バクスター効果 EMAモーター
 例えば、ピラミッドではどう研究すればよいでしょうか。これにはサイエネルギーのプラナが関係してることや、それが内部では高さの3分の1の位置に集まるとか、外部では尖端部から噴出してることが漠然と分かっています。しかし、研究報告として体裁を整えるためには、所定の場所に水なり、ウイスキーなりを置き、どの位の時間放置したときに、水やウイスキーの性質がどう変るかという定量的な数値をとらなければなりません。例えば、水の表面張力が変るとか、オーラメーターで測ってエネルギーの強さの変化を示すとか、何か数値で表わせるような報告が欲しいわけです。もちろん、一人の人で完全無欠なデータをまとめると容易なことではありません。しかし、いろいろな実験者がいろいろな角度から研究した結果が雑誌にのれば、一人一人のものは短文でも、多くの人の結果から、新しい発見がでてくるかも知れません。それから進歩した考え方に発展するわけであります。会員の入谷さんがしばしば報告されるように、数値的な結果でなくても、紙のピラミッドを毎日頭に被って記憶がよくなったという体験談も雑誌「サイ」の方に発表して頂くと、他の方々の参考になり、それらの報告を系統だてて論文にすることもできるでしょう。
 キルリアン写真とか、念写の場合は撮影された写真に価値があるわけですが、残念ながらカラー写真は現在の所高価なものにつくので、印刷上の問題があります。しかし、例えばキルリアン写真ならパルスの繰返し速度、電波の周波数および強さが指とか皮膚の他の部分を撮影するとき、どの辺に最適の値があるかという条件を報告して下さると、これから研究する方々の参考となり、よりよい研究へと進歩があるわけであります。
 人間の想念が関係する研究は科学的にやれといっても実際はなかなか正確な結果がだせないものです。バクスター効果の研究も、その代表的な例でしょう。
 「サイ」第1号の40ページにもあるように、日本ではバクスターに先立つこと22年も以前に発見されています。このような発見は、たとえ数値的データがなくても、いろいろな周囲条件を詳しく書いておけば、それだけで研究報告となる場合もあります。その場合は、あくまで最初の発見であることを過去の文献を調べて確かめてから発表すれば、たとえ短文でも価値があります。しかし、新発見でなくても、バクスター効果をメーターで観測し、いろいろな植物についてやってみて、これこれの植物の場合は従来の実験にくらべて明瞭であったとか、あるいは人間の想念と植物の関係でなく、他の動物と植物の関係とか、あるいは植物と植物との間に反応がみられた場合は発表に値する新研究とみなしてよいでしょう。
 ESPやPKに関して副会長の佐々木先生の発表されたような形式が考えられます。材料の変形あるいは質の変化等があるわけです。また、デューク大学で昔ライン博士のやった方法や、スタンフォード研究所でターグ・プットホフの実験した装置や、近くはプリンストン大学でヤーン教授の大規模なものまであります。しかし、研究費の巨額が必ずしも質のよい研究とは申せません。たとえ、ESPカードで安上がりの実験でも、方法に新味があれば報告になるのです。
新時代  最近UFOの目撃例が増加してますが、ただ目撃したというだけでは大した報告になりません。世界各地にあるUFOセンターに集まった目撃例を整理して、全体の傾向、場所・時間・機数等をならべれば多少報告らしくなります。これも近接写真があれば価値がありますし、たとえ一機でも、その動き方や光の色や強さの変化を詳細に観察すれば、やはり読者の興味をひきます。しかし、本誌本号で発表された瀬戸さんの報告のような場合は普通の現実世界だけでは得難いような事実が多く、近未来の運命にもかゝわる重大な問題だけに、特別な取扱いをしています。宇宙人との接触等は体験談の形になり、「サイ」向きの記事となるでしょう。
 EMAモーターは話題になってから忘れかけた頃と思います。しかし、これも潜在的に相当進行していて、これこそ技術データを発表すれば数編の論文にしても書き切れないほどあるでしょう。要は発表の時機待ち、という所でしょうが、多くのサイ科学者の期待に早目に本誌へ御投稿お願いしたいものです。
 暗示学習に関してはATERGでも毎月研究会をやってますし、最新の情報は今年7月11日の大講演会でも発表の通りです。
 生物学的元素変授(BTA)はかなり専問的知識も必要ですし、実験に期間が必要です。本誌にも菅さんから報告がでているように、将来相当有望なテーマです。農学の方では古くから知られていますから、やる気さえ起せば、大学の研究室あたりでやっても、大して異端視されないと思います。バクスタ一効果との関連においてBTAをやるのも一案でしょう。
 ざっと考えただけでも、山ほどテーマがあることがお分かりでしょう。日本サイ科学会の会員、とくに若い方々の奮起を望みます。今や時代がこの方面の発展を要求しています。

The museum of kokoro science
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