PSI Vol.10, No1 January1988 Annual meeting pp.16-19.
  年次大会ニュース
 日本サイ科学会にとっては歴史的ともいえる第1回年次大会が昭和62年11月29日(日)午前9時30分より午後4時30分まで。東京都新宿区上落合1ー12ー12にある日本心霊科学協会2階講堂において行われた。参会者約80名、発表者16名、会場は熱気に溢れて、寒気を吹飛ばす勢いであった。印象大要は図のような感じで、 16の方面からサイ科学の核心にアクセスしようとする意図は一つの結晶を結ぶような意気込みであった。表紙裏にもあるようにサイ科学は心(Mind)と心だからM-Mと書いた。心と物(Substance)はM-Sと書いた。物と物はS-Sで示している。中心のサイ科学はギリシャ語で"Ψ Σ"と書いてあり、これは目下の所、ブラックボックスとでもいうべきものである。その夜、近くの中華料理屋で懇親会が開かれ、和気あいあいの内に囁かれた言葉のいくつかを書いてあるが、これが燃え上ると、来年の年次大会の発表になるのではないかと予想された。演題・演者・時間は下記の通りで、当日は皆さんの御協力により、すべてスムースに運営された。予想は別にあるので、重点を記録した。
印象大要
 年次大会開催に当たって
   関英男 9:30〜9:40
 会長としてのご挨拶を一通りのべたが、とくに、この日の大会がスムースに行われるためには時間厳守が大切である。ぜひ要点を15分以内で話して頂き、後はテレパシーで以心伝心を実行されるようお願いした。

1. 虚空間の実験的検討
   瀬戸明 9:40〜10:00
 ピラミッドの中に虚空間があると考え、温度差を正確に指示するブリッジ回路で測定すると、ピラミッドの中と外の温度差は0.025°C位、正四面体の中と外の温度差は0.0006°Cであった。演者はフレーム型ピラミッドを山の中に埋めると、UFOが現れた経験をもち、UFOの虚のエネルギーを遠くより検知するのではないかとの御意見は印象的であった。

2. 摩訶不思議なピラミッド・エネルギー
   入谷憲雄 10:00〜10:20
 ピラミッドのエネルギー集中部に銅箔とか1円玉を3〜4日おいたものを三里のつぼ等に貼ると、血圧が180より130まで下ることを自分も経験した。因みに演者は年次大会に限らず、毎例会奉仕的に参会者に提供しておられる。また、同氏がピラミッドで帽子をつくり、瞑想に利用しておることは昔より有名である。

3. QMSで捉えたオーラ像の新見解
   菅忠行 10:20〜10:40
 QMSとは菅さんの新造語でQuantum Magnetic Solutionのアクロニームである。Solutionは液体であるから、これは宇宙エネルギーを水や軟膏に吸着させたものである。また、この液体に釘等を浸したものも、特殊のオーラを放射すると同時にセンサーにもなるのである。演者はその結果とキルリアン写真像による観測についての総論をのべ、各論はつぎの演者にゆずることとしている。印象深かったのは、上記センサーを高野山に持っていったら、反時計式に回転し、「わかって助けて」という女性の声が聞えたという話である。

4. 物質の気とQMSによる変化をオーラで見る
   富崎源一 10:40〜11:00
 演者は鍼灸の専門家としての立場でQMSを治療に利用しながら、キルリアン写真を軽便に撮像する装置を工夫試作し、多数のスライドで示された。例えば、三焦経に欠陥があると、指のキルリアン写真の一部が欠けたように写る。これにQMSを塗ると、治る様子が明瞭に示された。

5. 21世紀への展望
   黒井基仁 11:00〜11:20
 地球には3億年以上前に人間が降りたことがあったが、今はその子孫、皆無である。今残っている人間は100万年前に降りた人間の子孫である。とくに、1960年以降に生まれた人間を新人類といい、8ヘルツ位の宇宙線の影響を受け、メカに強く、音感も鋭く。国際感覚にすぐれている。政木和三先生発明のバイオライトは、実は演者の会社で実際製作しているが、この光の下では気がでているという初耳の話がきかれた。

6. 因縁果の法則と表裏一体の法則と病
   岩井秀雄(当日欠席) 11:20〜11:40
 木村副会長が代講された。岩井先生が御都合で上京できないので、日頃、同先生の治療を身をもって体験しておいでになる木村六郎副会長が真に迫るお話をされた。因縁果というのは、相手の因縁で自分が霊障を受けるのだから、これを除くと、病気が治るという。また、表裏一体とは、実の世界と虚の世界のことで、五感に感ずる世界の現象もすべて、五感分からない世界の影響であるから、裏の世界から治してかからないと、本当に病気が治ったとはいえないという。実例をあげて、こんこんと解説された。

7. プランク定数の研究
   大橋正雄 11:40〜12:00
 物理学をやった方々には、すぐあれかと分かるが、そうでない方々には分かり難いかもしれない。これ以上小さいエネルギーは存在しないという、エネルギーの最小単位のことである。エネルギーの単位はエルグであるが、なぜか、プランクの定数にはエルグ・秒という単位がついている。演者は理論的にエルグ・秒ではない。エルグでなければならない、という当然のことを主張するが、正統派の物理学者の頭は案外堅いという。これが霊魂とどう接がるか、と議論を展開されるのだが、そうなると、ますます正統派の反発がある。しかし、やがて演者の主張も通る時代がくるであろう。

8. 気・スカラー波とサイ科学
   実藤遠 13:20〜13:40
 演者の実藤先生は1987年までに,中国や欧米に何回も旅行して見聞を広められ,とくに中国の気と中医学の研究に着目された。スカラー波は,数学でいう、スカラー・ベクトル・テンソルとは異る意味に使っていると説明されたが、二つの電磁波が完全に打消すよう合成されたときに発生するという説明よりみて、媒体内の縦波ではないか、という筆者の想像である。一方、電磁波はベクトルであるし、宇宙人が見えざるケーブルを通して送ってくる情報はテンソル・ビームいわれている。
 スカラー波理論の基礎はニコラ・テスラの「世界システム」にあり、相似象にも書いてある「地球波」と同一のものであるとの説は、東西サイ科学の接点として大いに注目された。詳細は予稿にも書いてあるが、これからのサイ科学を展開する上で役に立ちそうに思う。

9. 外部磁場によるウサギ脳波の制御
   瀬戸明 13:40〜14:00
 演者は昭和医大の口腔生理学教室に籍をおいておられる方だが、パルス磁場(アルフア・コイルで発生する)による脳波の測定は公認される所まで進歩したという。そこで、兎の頭にパルス磁場として約8〜16ヘルツを加え、脳波の時間的波形をカーブで得られた。これをFFTにかけると、フーリエ変換によって、時間関数から周波数関数に変り、スペクトルが明らかにベータ波からアルフア波に移ったのが分かったという。その時同時に血液を測定すると、これにも変化が現われた。 しかし、パルスでない普通の永久不変磁場を与えても脳波にも血流にも変化がでないということである。

10. アルファ・コイルのサイ科学的効果
   橋本健 14:00〜14:20
 演者はアルファ・コイルの発明として、その効果を健康、超感覚および円滑現象と多角的に説明なさっているが、これが観念的なものでなくて、客観的によるものであることを示すため、99名の実験者よりアンケートをとり、統計データを示された。99名中、著効60名、有効25名、不明11名、無効3名、悪化ゼロという効果である。アンケートは多数配られたが、回答は約20%であったことを質問によって明らかにされた。
 円滑現象はなぜ起るか。それは宇宙意識に潜在意識が作用したときに発揮されるという。アルファコイルは潜在意識を活性化するので、常人の顕在意識が孤立しているのに対して、潜在意識の活性化によって、テレパシーも可能になり、宇宙意識にも目覚めるという。沢山のスライド写真で説明が行われた。

11. ロイヤル・フェニックス…フェニックスパワーの性能について
   石川武士 14:20〜14:40
 これは講演だけでなく、実演のついた説明であった。phoenixは不死鳥の意からつけた商標名で、商標はループに矢印を組合せてある。実物は六角形の金属板で金色燦然と輝いている。これに表と裏があるらしく、二枚の板の表と裏を横だわった被験者の足より10数センチ離して壁に立てゝおく、20分も照射すると、エネルギーが注入されたことを示すように、前かがみになって両手が地面にやっとついたのが、後では容易に手のひらまでつくようになった。フェニクス・パワーを当てると、刀が1グラム減量したとか、体重まで減るという。筆者の想像では、宇宙エネルギーが入ると、上昇力がついて、見掛け上軽量になるのではないか。もし、もっとエネルギーが入ってくると、空中浮揚も可能となるであろう。今後は徹底的に研究する必要があると思った。

12. 親の子に及ぼすサイ現象
   野村正恒 14:40〜15:00
 演者は会員数50万人を擁すぶ大組織体である所の倫理研究所の幹部である。それだけに、実例には事欠かないし、サイ現象があったといっても、それは非常に確率の高い現象とみることができる。この倫理研というのは、丸山敏雄先生が創立された団体であるが、同先生は昭和26年12月14日御他界になった。演者のお話の中にでてきた純粋倫理というのは、丸山敏雄先生が昭和27年10月に著わされた純粋倫理原論という書物による術語である。先生の後を丸山竹秋先生が継承されている。多数の実例の中で、当日演者のお話では、母親が『あゝ自分は心がけが間違っていた。今日から心を入れ変えて生きよう』と思った瞬間から、子供は見違えるように素直になり、学校にも喜んで行くようになった、ということである。五感でわからない所にいても、母と子は互いに第六感で接がっている。この話をきくと、ジーンとくるものがある。
 登校拒否児を叱咤激励することをやめて、親自身が日常生活の中での孜がまゝを矯正することが大切である。前に橋本健さんののべた、他人同志も潜在意識で接がっているという事実があるのだから、母と子の間では、なおさらのことである。

13. 意識と物質の相互作用
   佐々木慶祐 15:10〜15:30
 現代は物質に偏った科学が発達しすぎたゝめ、物と心とは別であるとの見解をとるため、いろいろの弊害がでている。サイ科学の要約にみるように、MとSとの間にはいろいろの現象があるのである。中国の気功では科学的測定器でよく研究され、違赤外線の放射を認めている。イギリスのHastedも同様の実験をしているという。
 平常の意識状態、意識の変更状態(ASC)およびREM睡眠状態で脳波の測定が行われ、それぞれ、white noise、 アルフア波および1/fゆらぎのスペクトルが得られているという。サイ現象の情報はまず右脳に入り、左の脳と脳梁を通じ協力して、情報処理が行われるという。さすが佐々木先生は永年超能力少年と交際しながら、実験観察を続けられたゞけに、説得力のある話をされた。

14. マインド・クリーニング・タイム
   小林泰樹 15:30〜15:50
 このお話も実演を伴ったものであった。ロザノフのサジエストロジーにヒントを得て、数学の授業に適用するのに“mind cleaning time”を設けてから授業を始めると相当の手応えを感じるようになったという。この方法は7年位前から実施し、生徒それぞれの願望をもたせると案外志望校に合格する率が多いという。そこで、当日の参加者に実験台となってもらって、背筋をのばし、手を組み、瞑目して、演者の与える暗示の言葉をきく。その後で喜多郎のシンセサイザー音楽をきゝ、一つ、二つ、三つと数えて柏手すると、潜在意識より表面意識にもどるわけ である。楽しい気分で実感をこめて、成功の暁を想像するという下りで、筆者はサイ科学会が発展したときの場面を想像したものである。果して実現するかどうか。

15. 真空の構造に関する一考察
   角尾貞之 15:50〜16:10
 演者の説によれば、この世の中には三次元しか実在しないという。一次元とか二次元とかいうが、紙の上に線を引いても、厚昧もあり幅もあるから三次元になる。一次元とか、二次元は抽象的に想像できるだけで現実ではない。さて、真空中には素粒子よりはるかに小さい微粒子と、電子・陽電子対の存在を想定すれば、真空が誘電率をもつことの説明ができると主張する。演者は、この微粒子に空子という名称を与えている。

16. 記憶と再生
   柴山乾夫 16:10〜16:30
 この日の殿りを務められた演者の柴山先生は、6年前に東北大学より玉川大学に御転任になったわけであるが、変られて1ケ月後のある日、芝生の上での歓迎合で突然、小学校時代の記憶がまざまざと甦ってきたという。
 それが動機でEbbinghaussの実験式を使って何年で何%の記憶が残るかを計算された。そして、人間の寿命は別として、地球の寿命45憶年経過したら、どれ程の記憶が残るかと思ったら、驚くなかれ5.7%も残るという。筆者の意見では、生理的な脳は化学変化をするであろうから、順次記憶は失われるであろうが、このように永続するとは全くの驚きである。一方、潜在意識の記憶は、何年経過しても100%記憶に残るので、忘れたと思ったことも催眠術で引出すことができる。そして、それが死後に永続すると考えるとき、54億年分の記憶情報量は驚くべきものがあろう。これも、実は筆者が計算を試みたが10の何10乗ビット程度になるようである。

閉会の辞
   関英男 16:30〜16:33
 「有難うございます」といった瞬間に、それは宗教になるとの最後の演者のお託宣があったが、この日のすばらしい講師の方々に対し、サイ科学会は宗教でないが、どうしても「有難うございました」といわざるを得ないということで結びの言葉とした。

The museum of kokoro science
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