PSI Vol.6, No.1 October 1981 Subcommittee 1. pp35-36.
  日本PS学会 研究分科会の活動状況
成立順(昭和56年8月現在)
(2)  ATERG 世話人 関英男
 オストランダー・シュローダーのベストセラー、「ソ連圏の4次元科学」(日本語訳・タマ出版P.153-162)で紹介された暗示学習法(Suggestopedia)は果たして文字通り外国語を50倍の速さで覚えられるものかを実際に確かめようとするのが本研究分科会の目的である。はじめ、加速教育研究会の名称で1979年9月に発足し、10、11、12および翌年1、2月と毎月研究会を開催し、1980年3月公開の大講演会を催し、200名近い聴衆を集めた。つづいて、4、5、6、7、9、10、12翌年1、2、3、4、5、6、7月と合計19回例会をもち、8月を休会とした。名称が多少はったり的であるというので、Accelevated Teaching and Educational Research Groupの頭文字をとってATERGと呼ぶようになったのは昨年の夏頃からである。
 われわれPS学会の会員であれば、このような超記憶(術語集Hypermnesia参照)は、超心理現象であることをよく承知している。しかし、一般社会で超心理というと嫌われることも百も承知であるが、教育の現状からみて、ぜひこの方法を普及しなければならないので、あり来たりの心理学で使っている潜在意識の作用として説明することも考えている次第である。
 現在分科会の会員は20名内外で、時に急激な増減があり、新陳代謝がはげしい。というのは、例会では毎回1時間半位かけて、サジェストペディアに関するロザノフの原典を代わる代わる担当者をきめて訳読しているが、その負担に耐えかねて自然脱退する方や、自分の意志に反すると感じて数回休む方を退会とみなして除名しているからである。
 会員ははじめ毎月1000円徴収したが、実際運営すると200円程度しかかからないので、現在ずっと200円(5ヶ月分前納)としている。それに、公開講演会の際の講師謝礼を好意的に全額寄付して下さったので、資金も潤沢である。
 なお、会員の有志数名でSALC(Suggestive Accelerative Laerning Classroom)を来る9月より、御成門近くの松下視聴覚教育研究財団で開設、非営利のため、無料で教室の提供を受けることになった。従って受講者も実費程度で教育を受けられるし、その過程と成果はATERGに公開的に報告され、将来の教育界に大きな貢献が期待される。要するにSALCはATERGとは別組織でありながら、密接な連携を保つことになるのである。具体的にSALCの教室は巾4.47m、奥行き7.20m、高さ2.49mといった非常にゆったりとした奇麗な部屋で、12名収容可能であるが、現在リクライニング・シートを10脚設備している。
 一昨年ATERGを開設するとき、都内の大学や高校の先生方が多く加入されるものと期待したが、案外少なかった。もし予想通りなら、各大学や高校廻り持ちで会場を提供して頂けたはずである。幸いなことに、東海大学短大の視聴覚教室あるいは会議室を毎月提供して頂けるので、現在の所、会場には恵まれている。
 今後、教育を改革したいとの熱意に燃える方々が振って会員に加入されることを望んでいる次第である。
(3) サイ理論研究会

The museum of kokoro science
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