サイ科学Vol.28, No.1 p.75 DEC. 2007(2)
 重要・貴重事実データベース
【氏名】
湯浅 泰雄(Yasuo,YUASA)
【所属、専門等】
人体科学、超心理学
Mind-Body Science,Parapsychology
哲学者:身体論、気の思想、超心理学、ユング心理学等に関心を示し、多くの著書を残した。
【略歴】
1925年6月5日福岡市生まれ。
1945年4月 東京帝国大学文学部国史学科入学。陸軍に召集され、8月豊橋第二予備士官学校にて敗戦を迎え、9月復学、日本の古代史と神話を学ぶ。
1947年より倫理学科に転科、和辻哲郎から哲学と日本思想を学び、1949年卒業。
1952年 東京大学経済学部に学士入学
1954年 東京大学経済学部卒業、大学院修士課程に入学、近代経済学を学び
1956年 東京大学大学院修士課程修了卒業。同年、文学部[倫理学研究室]助手となる。
1961年より学習院高等科[社会科]教諭
1966年より山梨大学教育学部[哲学・日本思想]助教授
1974年 山梨大学教育学部教授。
1975年より大阪大学文学部[大学院日本学]教授。
1979年度インドネシア大学客員教授。
1980年より筑波大学[哲学思想係]教授。
1984年日仏国際シンポジウム「科学技術と精神世界」企画委員長。
1987年4月〜9月北京日本学センター客員教授
1988年日中国際シンポジウム「気と人間科学」実行委員長
1989年より桜美林大学国際学部教授。
1991年人体科学会創立。以後、この学会の会長、副会長などを務める。
1996年桜美林大学大学院教授
1998年退官、桜美林同大学名誉教授。
2005年11月9日 東京都没。
【著書、翻訳書】
「宗教と人間性」理想杜(1966)
「古代国家の倫理思想」理想社(1966)
「経済人のモラル」塙書房(1967)
「近代日本の哲学と実存思想」創文社(1971)
「神々の誕生」以文社(1973)
「身体?東洋的身心論の試み」創文社(1977)
「ユングとキリスト教」人文書院(1978)
「ユングとヨーロッパ精神」人文書院(1979)
「古代人の精神世界」ミネルヴァ書房(1980)
「日本人の宗教意識」名著刊行会(1981)
「和辻哲郎」ミネルヴァ書房(1981)
「東洋文化の深層」名著刊行会(1982)
「日本神話の思想」ミネルヴァ書房(1983)
「歴史と神話の心理学」思索社(1984)
「気・修行・身体」平川出版社(1986)
「共時性とは何か」山王出版(1987)
「宗教経験と深層心理」名著刊行会(1989)
「ユングと東洋(上・下)」人文書院(1989)
「気と人間科学」平川出版社(1990)
「身体論」講談社(1990)
「日本古代の精神世界」名著刊行会(1990)
「「気」とは何か」日本放送出版協会(1991)
「玄美三蔵」名著刊行会(1991)
「宗教と科学の間」名著刊行会(1993)
「身体の宇宙性」岩波書店(1994)
「共時性の宇宙観」人文書院(1995)
「和辻哲郎」筑摩書房(1995)
「古代人の精神世界」ミネルヴァ書房(1996)
「日本神話の思想」ミネルヴァ書房(1996)
「宗教経験と身体」岩波書店(1997)
「共時性とは何か」山王出版(1997)
「哲学の誕生」人文書院(2004)
「湯浅泰雄全集(全17巻・補巻1)」白亜書房ビイング・ネット・プレス(1999-2013)
【受賞歴】
【主な業績】
  1. 日本思想史や東洋思想研究の分野 
  2. 深層心理学の研究領域
    カール・G・ユングの分析心理学を最初期に着目した。
    ユング思想そのものの研究のみならず、西洋の精神史と東洋の宗教哲学の接点に関する研究。 ユングが晩年に展開した「共時性」(非因果的連関の原理)には非常な関心を示し、古代中国の周易や道教思想につながる宇宙観を見出した。デカルト・ニュートン的な二分法を克服した「主観主義的経験科学」を提唱した。
  3. 「身体」の問題に関する領域
    1977年に刊行された『身体一東洋的心身論の試み』は画期的な業績で、のちに英訳本も刊行された。「気」や「修行」の実践論を積極的に取り込むことで、それまでの身体論にはない新たな地平が開拓された。ここで扱われた「身体」に関する研究は、やがて人体科学会の設立に結実する。
  4. 国際会議として、1984年(昭和59年)11月に筑波大学で開催された日仏協力筑波国際シンポジウム「科学技術と精神世界」がある。このシンポジウムの企画委員長として尽力された。さらに1988年(昭和63年)には日中平和20周年記念シンポジウム「気と人間科学」の実行委員長となる。そして1995年(平成7年)、人体科学会が設立される。

    ※以上は倫理研究所理事長 丸山敏秋先生のご厚意により、許可を得て、
    「人体科学,Vol.15,No.2.(2006), pp.1-4」より、一部を、転載させて戴いた。
【外部リンク等】
【その他】
*連絡先は日本サイ科学会事務局までお問い合わせください。

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