PSI Vol.45, No.1 October 2023 Data 3. pp.109-111.
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ニュートン力学を巡ってのあれこれ
濱田 敏博(放送大学・教養学部・社会人大学生)*
This and that over Newtonian mechanics.
Toshihiro Hamada(Society Student of the Open Universy of JAPAN)
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T.アイザック・ニュ−トンについて.
地上の力学と天上の力学の統一を完成したのは万有引力の発見であり、
それはご存じのようにアイザック・ニュ−トンによってもたらされた。
ニュ−トンが晩年、リンゴが木から落ちるのを見て引力を発見したと語ったというのは象徴的な意味を持っている。
リンゴが落ちるのと同じように月も落ちるということ、
つまり地上と天上には同じ法則が働いていると考えるようになるためには、
何世紀にもわたる研究の積み重ねと、自然現象の変化が必要であった。
ニュ−トンは彼の言葉を借りるならば「巨人の肩」に乗ることによってこれを見出したのでした。
力という概念が確かなものになるには、力が働かないときの自然状態としての「慣性の法則」が発見されなければならなかった。
直線運動としての慣性を明らかにしたのはデカルトであったが、
彼にしても静止の継続は別の法則としていたのであり、運動を保つ原因を物質に本質的な力によるものとしていた。
デカルトに従えば、運動量と力とが等しいことになる。
ニュ−トンも慣性を物質に本質的な力と呼んではいるのだが、
主として扱ったのは、運動を保つ原因としての力ではなくて、
運動の変化の原因としての力であった。
アリストテレスの自然学にとって、また17世紀の科学者のほとんどにとっても、
研究の目標は自然現象の「真の原因追求」であった。
「真の原因」とは「目的因」のことである。
ガリレイは力の及ばないこととして、とりあえず真の原因を問うことを中止してしまった。
ニュ−トンは運動量の変化として測定することの出来る動力因としての力を考えることによって、
自然科学を数学的に答えることが出来るものにしたのです。
(1687年出版された)「プリンキピア」{自然哲学の数学的原理}は、
運動法則を見出したというだけではなく、自然に対する新しい問い方を示したという点において
画期的な著作である。
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