PSI Vol.42, No.1 December 2020 Data 1e. pp41-44.
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体力・免疫力だけで病に勝てるのか
三好 一郎(日本サイ科学会理事 獣医師)*
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はじめに
令和2年に入ると同時に、肺疾患による患者が病院に搬送される。
また、亡くなる方も増えていると、マスコミ等で報道されだしたのが
今回の新型コロナウイルスCOVID-19による感染症であった。
国内では、感染症患者拡大とこれを原因とする死亡者が続いたが、
WHOはパンデミックとして位置づけし、世界の多くの国々はロックダウンに
踏み切ったのをみると、それほどの危機感があるということになる。
ではどれほど、この感染症は怖いのかと言えば、肺疾患は当然ながら血液への
ダメージから多臓器不全となっていくようであるが、高齢者や糖尿病、高血圧喘息などの
基礎疾患を持つ者は重症化傾向が強いと言われている。
「新型コロナウイルスによる感染予防には、このような対策を取ったらいい」
と、厚生労働省が中心となりPRをしているが、それは「マスクを着用し、お互い三密を防ぎ
会話による飛沫感染を防ぐ、手指をアルコールなどで消毒するように」と指導がされている。
これは10数年前の冬期において、インフルエンザが大流行する、ノロウイルスによる食中毒に
感染する恐れがあるから
「手を洗おう、うがいをしょう、そしてマスクをつけよう」
と、やはり厚生労働省がPRしていたことを思い出した。
現状と類似しているのだが、その時マスクがどこの医療メーカーにも無くなり、
消毒用のアルコールも入手が困難な状況であった。
だが結果として、手洗い、うがい、マスク効果のためか、発症者は事前宣伝とは違って
ほとんどに近く低く抑えられた。
しかし、今回の新型コロナウイルス感染症の予防で
「手を洗い、うがいをして、マスクを装着するのが良い」
といわれ、これについての異論はもちろんないのだが、医療界におけるアドバイスでは、
うがいは口腔内に入ったウイルスが30分〜1時間で体内に侵入するから
「効果がない」とか「効果は不明である」と、よく分からないアドバイスがされている。
さらに、遺伝子増幅法であるPCR検査を実施することは、現在では重要な検査の位置づけになっているが、
年当初の新型コロナウイルス感染症問題が起き始めた時は、PCR検査の信ぴょう性について医療関係者から、
懐疑的な意見が出ていたのも事実で、受診者、患者側の立場からはどっちを信じていいのか、
不安にならざるを得ない状況であったのは確かであった。
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