PSI Vol.40,No.1 December 2018 Data 5. pp.113-121.
演繹と帰納という語彙に関する意味と事象の比較など[7月].
−生命体の本質などの方程式への記述も含めて−

濱田 敏博[理学士] 放送大学教養学部社会人大学生*
Comparison between meaning and phenomenon about the vocabulary deduction and induction[July] Including the description to equations such as the essence of the living entity
Toshihiro HAMADA.[BS] Society Student of the Open University of JAPAN.

Abstract
0.概要.
 今例えば演繹という語彙と、帰納という語彙との間における意味の差異を探すような行為を1つの試みとしておこなってみる訳だが、この行為は単に「哲学的」な意味においての操作だけには限らずに、むしろ後半においては、積極的に「科学的」な領域・分野=例えば、何らかの「方程式」についての考察を行ってみるような操作を実施してみようという、そうした類の施行に関する言及なのである.

T.はじめに.  まずここでは、演繹という思考方法と、帰納という、前者とはちょうど正反対の角度をもった言語の思考方法の内容などについて、考察を進めていこうと思う。演繹(deduction)と帰納(induction)という、主に哲学の分野や論理学などの領域分野に属している用語に関して、その両者の使用される場合を、少数ではあっても、多少の応用範囲の広いように推測される具体的な1例をとりあげて、もう少し後の節において、その論理的なる適用・応用範囲などについても考察を進めたいと考える。

 さて、ところで、この「deduction」と「induction」という2つの用語に関しては、その両者ともに(任意の論理の)「推論」を行う際に効力を発揮する性質をもった基本法則だということは出来るだろう。そういう意味を持った2つの用語なのだけれども、もしも、その意味を持っているという要件に関しての理由を知りたいのならば、両者の用語について、適当な辞書などを用いて調べればよいだろう。だがしかし、ここでは、私がその「演繹と帰納」という、ちょうど相反する意味を持つような用語の関連性についてとりあげてみたのだから、その内容についての記述は、多少なりとも、私にとっても、説明責任はあるということは言及出来るだろう。

 従って、以下には多少なりとも、この2つの語彙に関しての私からの説明を行ってみることに致します。まず、付記程度の記述と致しまして、この「演繹」と「帰納」という用語の「動詞形」について考察してみるならば、その両者ともに「みちびく=ducere」という意味を持っています。これに「外=de」という前置詞と、他方では「内=in」という接頭語を付けると、この両者はそれぞれに、「外にみちびく」(演繹)という意味をもつものと、他方、「内にみちびく」(帰納)という意味を持っているものとに、それぞれに分かれていきます。

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