PSI Vol.40,No.1 December 2018 Data 1g. pp.73-77.
水と健康
ウォーターデザイン研究会理事長 理学博士 久保田 昌治*

Abstract
はじめに
 水は大切だ大切だと言われている割には実際にはあまり大切にされていないのではないか? これが筆者の水に対する率直な実感である。我が国は水資源については他国から見たら憎らしいくらい自然環境に恵まれている。水不足時に海水から飲料水等作る海水淡水化法があるがこれを行う場合も日本列島は細長く居住地域が海岸から近く極めて恵まれている。このようなことが水の大切さや水に対する関心を薄めている一因なのかも知れない。しかし今夏は異常な暑い日が続き熱中症対策上からも水の飲用が盛んに勧められた。このようなことはこれまでなかったことである。

 ところで我々の身体は幼児で体重の80%、成人で60%、したがって平均で70%は水である。今の医学であり医療は人体で一番大きな割合を占める70%の水を無視して残りの30%で議論しているように思えてならないのである。この70%の水をどうするかで健康の維持や増進、アンチエイジングなどどうにでもなる面がある。

 がんになる人ならない人、アトピーの人アトピーでない人、花粉症の人花粉症でない人。この違いを突き詰めていくと体質の違いということに成ってくる。もしそうなら体質を変えればがんに罹りにくくなるとか、がんが消えてしまうというようなことが起こっても決して不思議なことではない。では体質を変えるにはどうすればよいか? 最も単純には体重の70%を占める体内の水を変えることである。それには先ず飲む水を変えることである。

 実際に飲む水を変えることにより信じられないような変化が起こることが珍しくないのである。我が国には古くから水飲み健康法という健康法がある。水の場合今日飲んだらすぐ効果があるとか出るという熱中症のようなケースもある。しかし体質改善ということになると3か月以上飲み続けることが重要である。一度風邪をひくと次の風邪をひくまで治らないという人がそう言えば最近風邪をひかなくなったなと言うのが水と健康の代表的な姿である。

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