PSI Vol.40,No.1 December 2018 Data 1d. pp.51-57.
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乱数を用いた閃きの表現
浪平 博人*
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Abstract
これまで見たことのないような斬新な図案・図形を創り出そうと頭を悩ましているとしましょう。ハッと美意識を揺るがすような、今までに自分の頭に浮かんだことのない萌芽としての形がどこからか提示されれば、それを手掛かりとした新しい図形の創造が可能になることが考えられます。このような萌芽としての新奇な図形の取り出しは、既存の意識にとらわれない領域(すなわち無意識)での創造活動に依存することになります。しかしながら、無意識領域の制御は原理的に不可能です。
ここで、意識を秩序に対応させ無意識を無秩序と考えれば、無秩序にみたてた乱数による図形生成で無意識による創造が疑似できるのではと思いつきました。我々は、このようなコンセプトで構築した図形発生メカニズムを“創造的図形発生システム”と名付けます。
論理的な図形発生システムとは、次のようなコンセプトに基づく図形発生法です。
「図形は移動する点から成る。2次元の点はX座標とY座標から成る。そこで、X,Yの位置を関連付ける複雑な規則をいくつか考案する。
各々のX,Y発生規則はいくつかのパラメータを含む。そのパラメータを無意識に似せて任意に発生させ、その規則に沿って生じた点が創り出す図形を追う。」
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