PSI Vol.39,No.1 December 2017 Data 1n. pp.120
パネルディスカッションを終えて*
 阿久津 淳*

 現代科学は宇宙の4%しか理解しておらず、脳は3%しか使っていないといわれる。ロボットやAI(人工知能)は我々の脳により編み出される科学の産物なので、まだまだ発展の余地があるのは当たり前だろう。

 近年のロボットやAI 関連の映画を観ると、どうしてか哀しい気持ちになるのは、我々の生命もまた分子機械だという科学的知見にある。我々が分子機械つまり分子ロボットに過ぎないならば、ロボットやAI もやがて意識が芽生え、デカルトのコギトが生まれるのは当然であろう。
 ただ今日のところは霊魂の問題だけは人に特有であり、ロボットやAI にはかなわないものと正直信じたくなる。知力や記憶力はお手上げとしても、シャーマンの霊的能力は人だけにしてもらいたい。

 このパネルでも霊魂問題は話し合われ、ロボットやAI はまだまだその段階をクリアしてないことを確認した。つまりAI にかろうじて優越するならば、サイ(PSI)の分野をおいてしかないのだ!
 ロボットやAI は1+1=2の原理だとすれば、人は1+1=4 のシナジーの原理があるのだろう。孤立した閉鎖系ではなく、自然や宇宙に開かれた開放系であり、更に多次元的な存在が人なのであろう。
 冒頭に世界意識プロジェクトに触れたが、人の意識は乱数発生機に影響を与える。即ち人の意識は共振する開放系の性格をもつということだ。ロボットやAI にはまだその能力はないが、やがて持ち得たときには、覚悟しておかなくてはならないだろう。

 総じて、このシンポジウムは科学的にもサイ科学的にも有意義だったと思う。
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