PSI Vol.37,No.1 December 2015 Data 3. pp.131-135
「いろいろな科学とthink粒子の階層化について」
 濱田敏博(物理文化研究所)*
1)関数の連続性について
 今、関数y=f(x)が連続であるということを、どのようにして表わしていけばいいのかを考えたいのですが、まず、連続性について最もシンプルで分かりやすい表現を考えると、次のようになるでしょう。
『関数y=f(x)のグラフがつながっているとき、y=f(x)は連続であるという。』ーー(1)
 この(1)の表現により、連続性ということで、関数のどのような性質に関して注目したいのかということは分かるのですが、しかしこれは数学的な表現としては適切でない。なぜかというと、グラフがつながっているということが、どういうことなのかが、漠然としていて、はっきりと分からないからです。グラフがつながっているということを厳密に定義しようとすると、最初に気付くことは、これはグラフ上の1点だけの性質ではない、ということです。各点の近くでのグラフのつながっていく様子に注意して、視線を動かしていかないといけなくなります。グラフがつながっているとすれば、xを少し変化させたときに、それに対応してy=f(x)の値も少しずつ変化していくでしょう。このようにして、連続性の考え方の背景には「近さ」の概念があることが分かります。
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