PSI Vol.37,No.1 December 2015 Data 1i. pp.72-78
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「愛する故人との再会 〜鏡視実験〜」
小林 信正*
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もしも愛する故人と再会できるというなら、誰でもそう願うことであろう。
アメリカの臨死体験の研究で知られるレイモンド・ムーディ博士は、古代ギリシャの人々が「プシュコマンティム」と呼ばれた託宣所の洞窟で水瓶を覗き死者との交信を行っていた方法を研究し、1990年から「鏡視の研究」〈精神の劇場〉と名付けて自らの手で再現した。
「鏡視」とは、愛する故人にもう一度会いたいと願う人々が部屋で鏡を見つめていると、あたかも現実のように誰でも亡くなった人との再会が果たせるというものである。鏡視実験としては、カウンセラー、精神科医、大学院生などを中心に300人以上の人々が被験者となり、その結果かなりの確率で故人との再会ができたという。
この「鏡視」体験は、夢や幻想ではなく現実の姿のように認識される。主観的ではあるが霊的体験により人生をよりよい方向に変える力を持つと云われ、亡くなった愛しい人への哀惜の情が体現され、心身共に癒されるという。
筆者は2010年(財)日本心霊科学協会内に「鏡視実験室」を設置。実際に故人と再会が可能なのか、さらに心理的な癒し効果を検証するために追試を行った。
さらには自宅寝室の三面鏡を利用して、亡くなった父母との再会を願って試みた。この実験方法と癒しの効果について考察し報告するものである。
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