PSI Vol.36,No.1 December 2014 Data 3. pp.112-115
「日常の中のいろいろな科学について」
濱田敏博 (ヘルメス出版)*
About various science in the daily life.
Toshihiro HAMADA (Helmess Publishing)*

1.ユリ・ゲラー氏からの手紙
先日、私の元へ、スプーン曲げで一世をフウビした「ユリ・ゲラー」さんから、8月の11日11時11分に日本に向けて超能力を送ります、というはしり書きのお手紙のコピーが送られてきました。(正確には通販会社を通してのコピー書きでした。私はこの通販で以前、招き猫の置物を買っていたのでした。)
 そうして、8月の11日午前11時11分の時間を待って、「さあ、どうなるか?」と少し期待をしていたのですが、実際には何事も起こりませんでした。(当然といえば、当然でしょうが)。だから超能力なんてないんだ!と誰かから言われそうです。しかし、私は超能力という現象は、あり得ないことではないのではないか?と予想しているのです。その根拠はどこにあるのでしょうか。
 一般に、通常、私たちが学ぶ数学は線形数学というものです。この範囲内においては、承知の通り「1+1=2」となります。ところが、自然界(宇宙)全般を考えるときに、必要な数学は、非線形数学というものです。そしてこの非線形数学においては、「1+1=4とか7など・・・。」という答えになる場合があり得るのです。(例えば、相対性理論において、時空の歪みを考える際に、時間や空間が伸びたり縮んだりする現象を考えれば、その湾曲した空間上に数直線を描いても、それ自体が伸びたり縮んだりすることからも分かります。)私たちの知っている数学なんて、自然界(宇宙)の現象から見れば、ほんの一握りにしか過ぎないのです。
 これを例えば物理学の分野で例えると、かつてはニュートン力学が世界の常識だと考えられていた時代もありました。しかしそこに20世紀に入って、量子力学という分野が出来始めてくると、それまで、物理量は連続なものだと考えられていたものが、量子力学においては、とびとびの値をもつというように書き変えられました。これは大変なパラダイム・シフトです。
 一般に、科学とは常に進化し続ける性質を持つものですから、今現在をかつてのニュートン力学が常識になっている時代に対応させて考えると、現時点では「あり得ない」と言われている超能力なども、また新たなパラダイム・シフトの時が来れば、その新しい科学の方法によって、説明がつくようになるかもしれません。ですから私は(スプーン曲げなどの)超能力に関しても、将来的には説明が付くときが来て、あり得る現象となるのではないか、と予想しているのです。
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