PSI Vol.36,No.1 December 2014 Data 1i. pp.64-72
「大地震の起きやすい太陽・月・惑星配置の統計的解析」
 才能開発研究所  瀬尾 泰範*
はじめに
 日本サイ科学会第24回全国大会のシンポジウムが「サイと天変地異」というテーマで開催される丁度2週間前に御嶽山の噴火が始まりました。私は御嶽山が1979年に有史以来(5000年ぶり)の噴火が起こる前年に、友人と御嶽山に登り、頂上に着くまで暴風雨に見舞われて危うく遭難しかけましたが、「剣ヶ峰・頂上山荘」にようやく到着し風呂にも入ることができ、夜は快晴となって、頂上から富士山まで見通せた良い思い出がありますので、今回噴火の犠牲になられた方々には、他人事ではない思いがあります。心からご冥福をお祈り申し上げます。
 御嶽山が噴火したことにより、私は今後の日本列島に起きるであろう大地震(たとえば関東、東海、東南海、南海)の可能性が益々高まったと思わざるを得ません。その理由は1990年に雲仙普賢岳が噴火し、1991年には火砕流で40名以上の死者を出し、その活動は1995年の「阪神淡路大震災」まで続いて、その年に活動が休止しました。
 また2011年1月に霧島山(宮崎、鹿児島両県境)の新燃岳が噴火し、その年の3月11日に「東日本大震災」が起こりました。火山噴火から大地震までの期間の違いや震源地までかなり距離もありますが、日本列島は4つの大きなプレート(ユーラシアプレート、北アメリカプレート、太平洋プレート、フィリピン海プレート)の交差点に形成されており、火山活動と地震活動は大いに関連性と連動性があると思います。
 今回、大地震と太陽・月・惑星配置の統計的解析をテーマにしましたのは、以前にも大地震の起きやすい星同士のアスペクト(地球中心の相互角度)の統計的な解析を全国大会で発表したのに追加して、1990年代に才能開発研究所で創案したオリジナルのチャートを使い、別の方向から大地震の起きやすい星の配置を統計的に解析してみたいという思いからです。
 従来、西洋占星学等で使われる「ホロスコープチャート」は、個人の出生年月日・時刻と出生地(緯度・経度)から作成し、主としてその人のパーソナリティや才能・資質を診断するのに用いられます。私の40年の診断経験でもかなり的確にパーソナリティの診断はできますが、やはり自然科学のレベルまで上げるためには、今後ビッグデータを使った本格的な統計解析が必要だと思います。ホロスコープチャートはすべて数値化できるので、統計的な解析に向いております。
 地震は発生時刻と震源地が緯度・経度で公開されますので、実は「ホロスコープチャート」による統計解析が、非常に向いている現象です。ただ始めに誤解されないように申し上げますが、星の配置が地震を起こすのではなく、あくまでも地下構造の歪みが蓄積されて、耐えきれなくなって地震になるのですが、その溜まったエネルギーの引き金として、星の配置が影響を与える場合があるのではないか、という観点からの研究です。従って、地震の予知に使うのではなく、もし大地震が起こるとするとこの辺りの日(期間)が可能性が高い、という予測程度ですが、今後も検証を続けてみたい結果が出ました。
 前置きが長くなりましたが、以下関東大震災以降の30の大地震について、太陽・月・惑星配置の統計的解析に入ります。
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