PSI Vol.36,No.1 December 2014 Data 1f. pp.45-50
「予知と持続:サイは天変地異を予知できるのか?」
 科学問題研究家 阿久津 淳*
下手の横釣り師
 この春(2014.5.4)、品川で釣りしているときのことである。ふと空を見上げると、光の弧(アーク)を発見した!午後4時ごろのことである。不思議なことに、その弧は太陽の同心円状になく、その反対の逆同心円状にあったのだ (写真1)<後に環天頂アークという現象である事が理解できた>。その1時間後、しばらくして帰ろうとしたら、今度は太陽の右脇離れたところに柱状の光があったのである(写真2ー4)。初めて目撃するその光景に目を疑いながらも、「これは新聞社やTV局に連絡しなくてはならないな」と思ったのだが、説明するのもやや面倒だなと思い、東京スポーツのMデスク(知人)に携帯で報告したのだった。 翌日5月5日午前5時18分ごろ東京都千代田区で、震度5弱の地震が発生した(震源地は伊豆大島近海で震源の深さは約162キロ、地震規模M6.0)。先ほどの太陽の異常現象はニッポン各地で目撃されていたようで、それが東京スポーツ2014年5月8日付けの記事 (写真5)となったのである。あとで調べるとこういった幻日現象は空中の氷晶が六角板になっているときに決まった角度の場所に出現することが気象学、光学上、判明している。
 その後のTV報道、新聞記事等によって、関東地方から中四国地方まで<環水平アーク>と呼ばれる幻日現象が発生したことがわかった。ただ環水平アークは、私が目撃した光の弧とも光柱とも異なっており、全く別の幻日現象を目撃していたようである。つまり5月4日の午後から夕方にかけて多様な幻日現象(環天頂アーク、環水平アーク等)が発生していたようなのである。競馬好きの知人O氏は、午後2時半から3時ごろ、中山競馬場で地平から上のところで細長い光の筋を目撃したと証言。やはり<環水平アーク>を目撃したものと思われる。これまで地震雲は非科学的に取り扱われてきた。某TV局の特番では大きな水槽の中に水蒸気を霧のように漂わせ、底におかれた電磁石を操作すると、地震雲と呼ばれていた形態に水蒸気が変化することが紹介されていた。典型的な地震雲(一筋の雲)からきりもみ状の雲までが形成されたのである。プレートや岩石のぶつかりあいが地質学的な電磁場の変化を発生させていると考えれば、それがまた雲の形状変化に影響を与えたとしても不思議はないのである。
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